みなさんこんにちは。藤倉です。
先日、トライアスロンをされている方とお話ししていて、初めて知ったことがあります。トライアスロンでバイクに乗る際、その乗車姿勢は腰を丸めるということです。
普通、多くのスポーツの基本姿勢はパワーポジションや、ファンダメンタルポジションといって、スクワットの途中のような基本姿勢をとることが多いです。
その際特徴として、骨盤を前傾させて、腰椎(腰の骨)を前に反らせる、前弯という状態にすることが挙げられます。この姿勢をとることで、身体の背面の筋肉が使いやすくなり、かつ、腰の筋肉の負担が少ない状態になります。
一方、トライアスロンや、ロードレースなどの長距離自転車競技者のバイクの乗車姿勢は、骨盤をやや後傾させて、腰椎を丸め、後ろに湾曲させる後弯の状態が理想とされているようなのです。
腰は丸めてはいけないもの、として認識があった僕にはかなり意外な事実でした。腰椎を後弯させた状態ということは、腰の筋肉にずっと伸ばされるストレスが加わり続けるということです。
筋肉というのは、伸ばされると、自ら縮もうとする反射が起きます。つまり、バイクの乗車中ずっと筋肉は縮もうとして筋力を発揮し続けなければならなくなります。また、バイクを力強くこぐ為には、上半身は土台として安定している必要があります。
その為に、背部や、腹部の筋肉群は固定のための筋力を発揮しなければなりません。そうなると腰部の筋肉はさらに負担がかかります。自転車競技者に腰痛持ちが多いのも納得がいった気がします。
それでもバイクの乗車姿勢は空気抵抗だったり、ペダルの操作性だったり、様々な理由があって、「腰は丸める」ということが正解とされているのだと思います。ただそうなると常に腰の痛みや疲れは感じなければならないのか、というとそうでもありません。
腰部の柔軟性、とりわけ腰の筋肉の伸びる能力を獲得したり、腰の筋肉の持久性を向上させたりすることで、バイクに長時間乗っても、腰が疲れにくくなったり、痛くなりづらくすることは可能かと思われます。
腰の筋肉の持久力を高める
「バイクを漕ぎ出して、10キロくらいは快適だったけど、だんだんつらくなってきた」という方や、「以前はへっちゃらだったのに、怪我をして、1ヶ月休んでから短い距離でも腰がつらいよ」という方は、腰の筋肉の持久力を高めることで、悩みが改善する可能性があります。
「乗った瞬間もう痛い」という方は何か根本的な問題が、身体か、バイクのセッティングにあるかもしれませんのでここでは対象としません。怪我をして練習をお休みしてから痛くなったという人は、お休みしている間に筋力低下が起き、バイクの乗車姿勢を保つだけの筋力がなくなってしまったためと考えられます。
筋肉の持久力を高める為には、その筋肉を強くするのが最も効率的かと思います。
筋肉を強くするとは、ウェイトトレーニングにおいて腰の筋肉を使って、より重い重りを持ち上げることができるようになることであったり、一定の重さを高回数持ち上げることができるようになることです。
イメージ的に、重たい重りを持ち上げたり、何回も重りを持ち上げることが、どう乗車姿勢を長時間キープすることに役立つのか結びつきづらいかと思います。
例えば、あなたの腰の筋力が10あるとします。そして、乗車姿勢を維持するのに要する筋力は5だとします。つまりバイクに長時間乗車するのは、あなたの持っている筋力の半分を発揮しないと安定して乗っていられないということです。
ここで、トレーニングをして、あなたの腰の筋力が15に増えたとします。体重や、バイクをこぐ際のスピードは変化しないと仮定すると、乗車姿勢を維持する為の筋力は5のままですから、15のうちの5だけということで、全体の1/3の力さえ出せば、安定してバイクをこぐことができるようになるというわけです。
あなたの筋力の半分を使わなければ完遂できなかったことが、1/3だけ発揮すればできるようになる。それがあなたにとって楽に感じるであろうということは当然わかりますよね?
また、筋肉の持久力は、エネルギー源であるグリコーゲンの貯蓄量にも依存しています。グリコーゲンが体内にたくさん蓄えられていれば、長時間の運動にも耐えられるということです。
では、グリコーゲンはどこに蓄えられているのか。肝臓と、筋肉の中です。筋肉を強くする過程で、筋肉が大きくなれば、そこに蓄えられるグリコーゲンの量も増えます。エネルギー源が増えるので当然運動継続時間が長くなるという理屈です。
これらが、僕が、腰の筋肉の持久力を高める為に、腰の筋肉を強くした方が効率的と考える理由です。ここでは重いものを持ち上げて、筋肉を強くする例をあげましたが、ウェイトトレーニング以外にも筋肉を強くする方法はあるかもしれませんが、僕個人としては、ウェイトトレーニングをすることがベストな方法かなと考えています。
他にも腹部の筋群を鍛えて、腰部をサポートしたりとか方法は一つではないと思います。自分が納得して、かつ効果が実感できる方法にたどり着ければと思います。
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