サーフィンのテイクオフで立ち上がるのが遅い!具体的なトレーニングの仕方も紹介します

みなさんこんにちは!藤倉です。今日はこんなお悩みに答えます。

サーフィンのテイクオフで立ち上がるのが遅くて波に置いてかれちゃうよ。原因はなんなの?解決策はあるのかな?

この記事で得られる内容
  • テイクオフの立ち上がりの動作が遅い理由
  • トレーニングでテイクオフの立ち上がりの遅さを解決する

本記事の信頼性

記事を書いている人:藤倉法隆

profile
  • NSCAストレングス&コンディショニングスペシャリスト
  • 日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー

僕はこれまでスポーツトレーナーとして、スポーツをしている人のトレーニングに携わってきました。スポーツでうまくいかないことがあるとその人の身体や動作から原因を見つけ、解決策を探るのも僕の仕事です。

サーフィンのテイクオフは波に乗る為に絶対的に必要な動作です。

これがうまくできないと乗った後にうまくスピードに乗れなかったり、転倒したり、最悪立つことすらできずに海に沈むことになってしまいます。

そんなテイクオフを行う上で、腹這いの状態からサーフボードに手をついて起き上がるまでの動作が遅くて波に置いていかれてしまう、なんて悩みを抱えている人も多いのではないでしょうか。

今日はその原因と解決策について掘り下げてみたいと思います。

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テイクオフの立ち上がりが遅い理由

まず結論から言います。テイクオフの立ち上がり動作を遅くしている要因はズバリ、

テイクオフの立ち上がり動作を遅くする要因
  • 体とボードが安定していない
  • 動作が体に染み付いていない
  • 立ち上がる動作が悪い
  • 体の柔軟性が低い
  • 筋力が弱い
  • 瞬発的な力発揮が苦手

ということが挙げられます。それでは一つずつ見ていきましょう。

体とボードが安定していない

テイクオフの動作は手をついて一気に足を前に運びます。その動作をするには自らの体、そしてサーフボードが安定していないとできません。

なぜなら人間は過度に不安定な状態だとまず安定することを優先するため、それ以上の動作を行うことができないからです。

例えば、サーカスでよく見る綱渡りは細いロープの上でしっかりと安定し、あろうことかバク宙まで繰り出したりします。しかし、綱渡りの初心者はまず安定することを優先してバク宙はおろか歩くことすらなかなかできない状況になります。

サーフボードの上でも同じで、海面上で安定しないままに体を動かそうとしても体がうまく動かず、動作はどうしてもゆっくりになってしまいます。

動作が体に染み付いていない

スポーツは上達してくると基本的な動作は無意識で行えるようになります。それがまだ未発達だと、頭で考えたり、立つ順番を反芻したりしてゆっくりと立たざるを得ません。

また、テイクオフの動作を繰り返して効率化されてくると、無駄な動作が省かれて素早く行うことができるようにもなってきます。効率化されていない場合は手や足のつく位置が毎回違ったり起き上がる高さが違ったりと無駄が多い可能性があります。

このように動作が遅いのはテイクオフの一連の流れが効率化されていないせいかもしれません。

立ち上がる動作が悪い

そもそも立ち上がる動作になんらかのエラーが起きているかもしれません。

手をついて上半身を起こす時に重心が後ろにずれていたり、背中を反りすぎたり、足を前に出すことを邪魔するように動くと立ち上がるのは遅れてしまいます。

体の柔軟性が低い

テイクオフする際は体を丸めるように動きますが背中やお尻の筋肉が固くて関節の動きがスムーズでないと、しゃがむまでの動作が遅くなってしまいます。

これに関してはこちらの記事に詳しく書いていますのでご覧ください。解決するためのストレッチはこちらから。

筋力が弱い

ボードに手をついて体を持ち上げる動作は腕立て伏せに似ています。

腕立て伏せが困難なほど筋力が弱いと、この動作は大変かもしれません。

そして上体を持ち上げた後は腹筋や股関節の筋肉を使って足を前に引き付けますが、これも筋力が弱いと動作は遅くなってしまいます。力のない高齢の方などがよっこいしょと立ち上がるのに似ていますね。

瞬発的な力発揮が苦手

「瞬発的な力発揮」とは体を素早く動かすために力を出すことです。

大人になると日常生活で素早く動く必要は無くなってきます。子供の頃は階段を数段飛ばしてジャンプしたり、水たまりを飛び越えて遊んでたりしたんですけどね。。

そういった瞬発的な動作をしなくなったり、もともと苦手だったりすると、波に押されていざ立ち上がろうとした時に素早い動きができません。そうすると、結果的に波においていかれてしまうというケースは多々あるように思います。

トレーニングでテイクオフの立ち上がりの遅さを解決する

いくつかテイクオフの動作が遅れてしまう原因を見ていただきましたが、これらを解決する方法を見ていきましょう。

トレーニングによって解決できるものだけです。なぜなら僕はトレーニング指導者なので。サーフィンのスキル的なことに関してはサーフィンスクールの先生やベテランサーファーに見てもらうのが一番だと思います。

ただ、筋力や瞬発力は補助的にトレーニングをしてしまった方が割と手っ取り早く改善できてしまうので僕はそのサポートをしていきたいと思います。

personal training

順番としては筋力をつけることが最初で、そのあとに瞬発力を鍛えるトレーニングをやっていった方がいいです。なぜなら、筋力が弱くて素早い動きができない人もいるからです。また、筋肉を鍛えることで瞬発力が向上することもあります。

だからまずは筋力を向上させ、それから瞬発系のトレーニングに移行するというのが安全だし効率的かなと思います。

テイクオフに関わる筋力を向上させる

腕立て伏せ

pushup

テイクオフはまず両手をボードの上について上半身を持ち上げることから始めます。

筋力が弱い人はこの時に背筋を使って上半身をそらしてしまうことが多いです。上半身を反らすと重心は足の方に移動してしまい、ボードのテール側に荷重し、失速の原因になってしまいます。

だから頭はやや前に突き出すように上半身を持ち上げることが重要です。そのためには腕立て伏せをして鍛えるのが手取り早いかと。

両手を肩幅より広めに地面につき、両膝を伸ばし、腰が反らないようにお腹とお尻をしめて、胸を地面につけるようにおろしていきます。胸が少しだけ地面に着いたら手で地面を押して体全体を持ち上げていきます。この動作で1回。

これを体力に合わせて回数をこなしていきます。最初は6回くらいできればいいと思います。目指すは10回を3セットくらい繰り返すことですね。

もしこの動作が全くできない場合は、膝をついてやってみてください。持ち上げる重さが減ってできるようになるはずです。これでもできない場合は、へそ下くらいまで床につけてやってみてください。

それもきついという方は立って壁に手をついて腕立て伏せの動作をやってみてください。徐々に足の位置を壁から離し、体が斜めになるようにしてやってみると、少しずつレベルアップできるはずです。

腹筋と股関節を曲げる筋肉

手をついて体を持ち上げることができるようになったら今度は足を引きつける力です。

これは腹筋と、股関節の前についている腸腰筋という筋肉が力を発揮しています。これらふたつを鍛えるには、最初は足上げ腹筋が良いかなと思います。

Working Your Core: How to Do Leg Lifts – Health & Fitness – ModernMomより

仰向けに寝て、頭上で椅子やテーブルの足などをつかみます。動画では地面に手をついていますが、掴んだ方が優しいです。もちろん掴まなくてもオッケーです。もし適当な掴むものがなければ、誰かに頭上に立ってもらい、その足に掴まるといいと思います。知らない人の足にしがみつくのはくれぐれも辞めてください。

そうやって上半身を固定させた上で、膝を伸ばして足を天井に向かって持ち上げます。ちょうどお腹のあたりで体を折り曲げる感じです。

足が地面に対して垂直まで持ち上がったらゆっくりと地面におろしていきます。かかとがチョンと地面に着いたら、また持ち上げていきます。

これも最初は6回を目安に頑張ってみてください。この動作がきつい人は膝を折り曲げてやってみてください。

それでもきつい人は、足の下に椅子をおいて、最初は椅子に足を乗せておきます。そして少しだけ足をそこから浮かせます。その状態で15秒キープから始めてみるのがいいと思います。

床でなく椅子に乗せて足を持ち上げるのは、地面から足を浮かそうとすると、腹筋が弱い人は腰を反って痛めてしまうことが多いからです。

これらのトレーニングで腹筋と腸腰筋が同時に鍛えられ、テイクオフで足を引き上げるのに役立ってくれるはずです。

瞬発力を向上させる

瞬発的な動作は手をついて上体を持ち上げる時よりも足を引きつける時の方が重要そうです。

ですからここでは足を引き上げる動作を素早くできるようなトレーニングを紹介したいと思います。簡単です。

思いっきりジャンプして、なおかつ膝を抱え込んでください。

タックジャンプってやつですね。高く飛べば飛ぶほど滞空時間がのび、膝を抱える動作に余裕が出ますがその分飛ぶのは大変です。空中でしっかり丸まるくらい膝を抱え込んでみてください。

もしくは腕立て伏せの姿勢からテイクオフの動作と同じように足を前に勢いよく引きつけるのもアリですね。その際はお尻が高く上がらないように膝がなるべく最短距離を通る意識を持ってやってみてください。

熱中しすぎると顎を膝で強打する可能性がありますのでご注意ください。最悪舌を噛みます。大丈夫です。経験済みです。

他にも場所が許せばボックスに飛び乗るというのも有効かと思いますがなかなか飛び上がっても怒られなさそうなちょうどいい高さのボックスは世の中に少ないのでまずはタックジャンプがいつでもできるのかなと思います。

ただ、ジャンプの時のようにテイクオフでも強くボードを下に向かって蹴ってしまうと、バランスを維持するのが難しくなると思うので、足を引き上げることを強く意識して行うのが重要かと思います。

まとめ

サーフィンにおけるテイクオフの動作が遅くなってしまう原因と、それを改善するトレーニングについてみてきました。

人それぞれ原因はあると思いますが、まずはその原因が何かを見極め、あなたにあった対処法を行うことが大事です。体が固いことが原因なのにテイクオフの動作を反復練習しても改善しづらいですからね。何が原因かは、誰かに見てもらうのが手っ取り早いかもしれません。

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