こんにちは!藤倉です。今日のお悩みはこちら!
サーフィンのパドリングをしてると腰が痛いよ。腰が痛くてパドリングもままならないからなんとかしてちょーだい!
サーフィンにはパドリングは避けられないですよね。サーフィンしてる時間のほとんどがパドリングしてると思います。その中で腰に痛みを感じているとしたらそれは辛いことと思います。
今回はパドリングで腰に痛みがでる仕組みとその解決策について探っていこうと思います!
サーフィン中のその他の動作での腰の痛みに悩んでいる方はこちらに全てまとめてありますのでこちらをご覧ください。
背中の構造とパドルの時の腰の動き
いきなりちょっとお勉強になってしまうのですが、簡単に背中の構造を説明しておきたいと思います。
背中は真ん中に背骨が通っており、その背骨はだるま落としのように複数の骨が積み重なるようにして出来上がっています。
背骨全体は横から見ると、緩やかにカーブを描いており、首の部分は前に、胸の部分は後ろに、腰の部分は前に湾曲しています。積み重なった背骨一つ一つのことを椎骨(ついこつ)と言いますが、椎骨の間には椎間板(ついかんばん)と呼ばれるゼリー状のクッションがあり、衝撃吸収やスムーズな動きを作り出す役割を担っています。
また、椎骨の後ろには突起があり、その突起間を結ぶように靭帯がくっつき関節を形作っています。
ちなみに首の部分の背骨を頸椎、胸の部分を胸椎、腰の部分を腰椎と呼びます。胸椎は後ろに湾曲してる分、後ろにそるような動きは苦手です。反対に腰椎は前に湾曲してるので後ろにそる動きは得意としています。
後ろにそることを伸展と言いますが、それぞれの平均的な伸展可動域は、頸椎で40°、胸椎で25°、腰椎は35°と言われています。(Prometheus 解剖学総論/運動器P101各脊椎領域における平均可動域より)
さて、ではパドリングの際の背骨の様子を見てみましょう。
どちらも上半身を持ち上げて頭の位置を高くして腕を動かしているのが見て取れます。
背骨の形に注目してみましょう。
どちらも腰椎の部分がかなり後ろにそっていて、胸椎の部分はまっすぐか、やや丸みを帯びているように見えます。つまりパドリング時の背中は主に腰椎をそらすことでで上半身を持ち上げているという事がわかります。
この背中をそらすという動きは背中の筋肉を主に使っています。中でも脊柱起立筋という筋肉の役割はかなり大きいと言えるでしょう。脊柱起立筋がひとつひとつ、もしくは複数の椎骨を後ろに引っ張り上げることでこの背骨の動きは成り立っています。
もしかしたら、この動画のふたりは腰に痛みを抱えていて、実はこのパドリング姿勢は正しくないかもしれない、という可能性はあります。ですがいくつかのパドリングの動画を見てもおおよそこの二人と近い背骨の形を呈していたのでひとまずこの姿勢が理想的なポジションであると仮定して話を進めます。女性で背骨の動きが柔らかくてもっと腰をそっていた人はいましたが…
とにかくパドリング時には背中、特に腰椎を後ろにそらす能力が必要そうだという事がわかります。それではこれを踏まえて実際に痛みが出る理由について探ってみようと思います。
パドリングで腰が痛くなる理由
背中が固い
前述したようにパドリングでは背中をそって腕を動かすわけですが、背骨の動きが固かったりしてスムーズに後ろにそれないと筋肉が無理やり引っ張って体を起こすことになります。
そうなると筋肉の負担が増え可動性のある背骨を持ち上げるよりも疲労は蓄積しやすく、腰痛へと繋がる可能性は高いです。
背骨の動きが硬い理由はいくつかありますが、椎骨間を結ぶ筋肉や靭帯の柔軟性が低かったり、生まれつき椎骨の形状などから後ろにそる事が困難な可能性も考えられます。
背骨の動きにばらつきがある
背骨は椎骨が積み重なって出来上がっているという話をしましたが、その構造により、スムーズな動作を作り出しているわけです。
背骨が一本の棒のような骨だったら丸まったりそったりという動きはできないですよね。
しかし、椎骨間は全てスムーズに動くかというとそうではありません。普段の姿勢などの影響を受け、部分的に椎骨間の動きが悪いところが存在する事があります。その場合しわ寄せがくるのが他の椎骨です。上の椎骨の動きが良くないばかりに下の椎骨が必要以上に動かなければならない、という事が起こり得ます。
そうなった際に必要以上に動かなければならない椎骨の周囲の筋肉や靭帯は余計に動きを要求されます。それによってストレスがかかり腰痛へと繋がる可能性があるのです。
筋力が弱い
背骨の動きに問題がなかったとしても、上半身を持ち上げるだけの筋力が弱かったりすると、すぐに疲労が訪れます。そうすると筋肉が炎症を起こしたりして腰痛を引き起こす可能性が高くなります。
椎間関節の炎症
椎骨の後ろには突起があり、関節を形作っているというお話をしました。それが椎間関節です。背骨を強く後ろにそらすと、この関節に強くストレスがかかります。それによって炎症を生じ腰痛が引き起こされるというわけです。
前述した3つの理由は筋肉や靭帯が痛みを発する可能性が高いですが、この腰痛は骨の炎症によって引き起こされるので、腰の背骨を挟んで左右が痛いというよりも、腰のど真ん中から少し外側の骨がズキっと痛む、という症状が起きる可能性が高いです。
パドリング時の腰痛の解決策
背中全体もしくは部分的に固いのが原因の場合
背骨の動きが固い場合は、筋肉の柔軟性を出したり、背骨の椎骨間の可動性を出すことで解決できる場合が多いです。
特にデスクワークで背中が丸まっている人はこれらのエクササイズで「後ろにそる」という能力が身につきますよ。
フォームローラー
ストレッチポールやフォームローラーと呼ばれる円柱状のアイテムを使い背中を後ろに反らしていきます。ローラーが硬くて痛い場合は毛布を硬くまいてローラーがわりに使うのもアリです。背骨の上から下までいろんなところに当てて反らしてみて下さい。youtube:My Top 3: Thoracic Mobility Exercisesより
キャットカウ
四つ這い姿勢からヘソを覗き込むように背中を丸めていきます。背中の丸みの頂点が天井につられるようなイメージを持つとやりやすいと思います。
今度は空を見上げるように顔を上へ向け、背中を反らしていきます。腰を反って痛い場合は痛く無い範囲で動かすようにしてください。この2つの動きで、背骨を動かし脊柱起立筋の可動性を取り戻していきます。youtube:My Top 3: Thoracic Mobility Exercisesより
筋力が弱いのが原因の場合
体を起こす力が弱くて腰に痛みをきたしてしまう人は脊柱起立筋を鍛えるのが手っ取り早い解決方法です。脊柱起立筋は以下のトレーニングで鍛えるのが最初は取り組みやすいはずです。
脊柱起立筋のトレーニング
うつ伏せに寝た状態から、みぞおちあたりから体を反らせていきます。腰だけで反らせると痛みにつながる可能性が高いので腰より上を反らせるイメージでやると比較的安全かと思われます。それでもしっかり腰の部分は鍛えられます。手の位置は始めは腰に当てたりしてもいいと思います。
youtube:How to Do a Lower Back Extension | Back Workoutより
脊柱起立筋のトレーニング
胸を張って腰を真っ直ぐにした状態でそのまま前に倒れます。
大事なのは腰を反らせたり、丸めたりしないこと。股関節を折りたたむようにして前に倒れる事が何より重要です。手の位置は最初は胸の前で組んでもいいですね。
youtube:Good Mornings | Bodyweight exercisesより
腰をそりすぎてしまうのが原因の場合
椎間関節の炎症を引き起こす原因のひとつに腰をそりすぎてしまう、という事が挙げられます。腰をそりすぎてしまう原因はいくつかありますが、まずは部分的に固いという事。どこかが固いとその分他の部分はより動く必要がありますから、そこで椎間にストレスがかかり痛みが起きてしまうのです。
また、筋力が弱い人は力の加減ができず、目一杯力を入れて体を持ち上げるという事もよくあります。そうするとやはり腰をそりすぎてしまう原因になるので、その場合は背中の筋力をつけ自分で背中のそりをコントロールする術を身に着けるという解決策があります。
フォームローラー
先ほども登場したフォームローラーですが、背骨の動きが部分的に硬くて一部だけそりすぎてしまう場合はこの運動で満遍なく背中がそれるようになります。youtube:My Top 3: Thoracic Mobility Exercisesより
脊柱起立筋のトレーニング
重りを持って前に倒れるこのエクササイズによって、背中をそりすぎず、丸めすぎず維持する力を鍛える事ができます。
大事なことは動作の間中背中を真っ直ぐに保つ事です。それによって背中の筋肉が十分に鍛えられます。youtube:Breaking Down My Romanian Deadlifts (With Dumbbells)より
まとめ
サーフィンにおいてパドリングをしている時間はかなりの割合を占めます。だからこそ腰の痛みを感じずにスイスイとパドリングに専念していただきたいと思います。
あなたの腰がパドリングで痛むならぜひ原因を見極め、上に記したようなエクササイズを試してみてください。腰が痛くなくなればきっとサーフィンに何時間でも取り組めて楽しいサーフィンライフが遅れるはずです。
コメント
[…] この記事を読む […]