【ゴルフ・テニス・野球】回旋のパワーを高めるメディシンボールトレーニング

med ball training

こんにちは!藤倉です。

野球やテニス、ゴルフなどのように体を回旋させて用具を振ったり、ボールを投げたりする競技は体を回旋する力がスポーツのパフォーマンスにそのまま影響します。野球のバットを振る速さや、ゴルフのドライバーショットのクラブヘッドスピードがボールの飛距離にそのまま影響を及ぼすからです。

それらを高めるためには体の回旋パワーを高めることはとても重要です。ということで今回は回旋パワーを高めるためのメディシンボールトレーニングについてみていきましょう!

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回旋系スポーツの特徴

回旋系スポーツは、野球やゴルフ、テニスなどのように地面についた足を踏み込み、その力を利用して体幹部を回旋させ、その勢いをクラブやラケット、引いてはボールへと伝えるスポーツのことです。これらのスポーツでは、選手は高い正確性を保ちつつ、速い速度で回転しそのスピードをボールに直接伝達できるような姿勢をとります。

tennis

回旋系のスポーツにおける投げる動作、またはスイング動作中は体の中心に近い部分から末端へと向かって筋肉が力を発揮していきます。この力の発揮によりふくらはぎ、太もも、お尻の筋肉などの「運動開始」の役割を担っている筋肉群の最大速度が可能となります。

続いて、さらなる回転加速と股関節によってこの回転の勢いが体幹へと伝えられます。体幹の筋肉群は股関節から上背部、腕まで途絶えることなく続く1本のチェーンとして働きます。最終的にこの回転の力は腕へと伝えられるわけですが、伝えられた力をロスなくボールへ伝えるだけでなく、動作の正確性を調整する役割も果たしています。

こんな風に複雑な動作の順序や筋力の発揮があるために回旋系のスポーツのトレーニングにはメディシンボールスローのようなトレーニングを活用する必要があります。

メディシンボールトレーニングのメリット

メディシンボールとは重りの入ったトレーニングに用いるボールのことです。大きさや重りは用途によって様々ですが、ソフトボール大の物から、直径40センチほどのものまであり、弾むようにできているハードタイプのもの、弾まないソフトタイプのものなど多岐にわたります。

回旋系のスポーツのために用いられるメディシンボールスロートレーニングの目標は、全身または一部の身体運動を通し、外部の物体に最大の回転速度を伝達すること、とあります。つまり選手の体を使ってラケットやボールに対してより速い速度を実現することがこのトレーニングの目的であるといえます。

このトレーニングをおこなうメリットとしては、

  • 競技の動作よりも大きな力を発揮することができる
  • 通常のウェイトトレーニングなどで軽視されがちな速い動作が求められる
  • 通常のウェイトトレーニングでは動作の終盤に速度が低下するが、スローイングエクササイズでは最低限の減速でおこなうことができる
  • 通常のウェイトトレーニングでは再現が難しい複数の運動面でのトレーニングが可能になる
  • 競技中に起きる動作の筋力とコーディネーションの向上が怪我の予防にも貢献する

などが挙げられます

メディシンボールトレーニングの選択

メディシンボールトレーニングはスローイングのものだけでもたくさんの種類があります。その中でどれを選択するかは、

  • 関節の動き方
  • 姿勢
  • 速度
  • 反動動作

これらの要素が競技動作のニーズにとって強調するよう調整する必要があります。

簡単にいえば競技動作と近い動きを選択することがその第一歩ですが、競技動作をそのままメディシンボールで再現しようとすると、怪我の元となるので避けるべきです。

例えば、野球の投げる動作に代表されるオーバーヘッドスロー(頭の上からボールを投げる)の場合はオーバーヘッドダイアゴナルスローのように頭上から対角線状に向かってボールを投げるようなトレーニングが適しています。

https://www.youtube.com/watch?v=RdnXTbXbAmg&t=293sより

野球のバッティングでは水平にその動作の軌跡が描かれるため水平に体を回旋させるラテラルスローなどが適しているといえます。

https://www.youtube.com/watch?v=vfpduKaHmnk&t=176sより

テニスのようなスポーツでは野球と違って極端に決まった方がなく、様々な動作のスローイングをトレーニングする必要があります。

変数としては

  • フォアハンドかバックハンドか
  • オープンかクローズか
  • 足幅はどうか

など多岐にわたるため、長所を伸ばすことや短所を改善するなどの目的を持つことによってトレーニングを限定していきます。

また、メディシンボールが重くなればなるほど、動作のスピードは遅くなります。テニスなどのように速い球を打ち返すには速い体の回旋が必要になるため、あまり重たい負荷をかけるのは適切でないといえます。反対にゴルフのように比較的遅いスイングの場合は多少重たい負荷を用いることもできるはずです。

メディシンボールトレーニングの目標は、所定の可動域内で適切なフォームを保ちながら、できる限り大きなスピードとパワーを発揮することです。そのためにはこのトレーニングをいかに他のトレーニングと組み合わせるかが重要になります。

プライオメトリックストレーニングのプログラムに取り入れたり、ウェイトトレーニングのプログラムの最初にメディシンボールエクササイズを取り入れることも可能です。最初におこなうメリットは体が疲労する前にこのテクニックを要するトレーニングを行うことでテクニックの悪化やパワー発揮の低下が起こらないで実施できます。

これらのメディシンボールトレーニングは通常1セットあたり3〜6回に限定し、ボールの重さが増すに連れて回数を少なくしていきます。セットの間は少なくとも3分間の休息が推奨されています。

ボールの重さはスピードと正しいフォームが維持できる重さを選択するべきです。

まとめ

メディシンボールトレーニングは、回旋系のスポーツを行う人にとってはパフォーマンスの向上に効果的な方法と言えます。メディシンボールトレーニングでは、複雑な競技動作を爆発的に、かつ通常の試合中の動作よりも大きな負荷を用いて行うことができます。

回旋系のスポーツをやっている人はぜひこのトレーニングを取り入れてみてくださいね。

参考文献

Medicine Ball Training Implications for Rotational Power Sports
Jacob E. Earp and William J. Kraemer

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