こんにちは!湘南平塚のパーソナルジム キノスラの藤倉です。今日はこんなお悩みに答えます
テニスでラケットを振ると肩の前側が痛くなるよ!これって何が原因なの?
テニスは腕をたくさん振るスポーツなので肩の痛みに悩まされる人も多いですよね。特に肩の前側はよく相談を受ける部位でもあります。
その中でも「上腕二頭筋長頭腱炎(じょうわんにとうきんちょうとうけんえん)」というケガはよく遭遇します。ということで今日はこのケガについて詳しくみていこうと思います。
上腕二頭筋長頭腱炎てナニ?
まずそもそも上腕二頭筋とは腕を曲げた時にできる力こぶを形成する筋肉です。
この筋肉は肩甲骨から始まり、肩の関節を跨いで腕を通り、肘を乗り越えて前腕の骨にくっついています。だからこの筋肉が収縮すると肩を上にあげる動き(肩関節の屈曲)、そして肘を曲げる動き(肘の屈曲)、前腕を外側に回す動き(前腕の回外)が起こります。
上腕二頭筋は読んで字の如く二つの頭があり、長い方と短い方で長頭と短頭があります。そして長頭は上腕骨(腕の骨)の「結節間溝(けっせつかんこう)」というミゾを通って肩甲骨に付着しています。
上腕二頭筋長頭腱炎は肩の使いすぎなどで、この結節間溝と腱が何度も擦れ、炎症が生じることで起きるケガです。ですからこの結節間溝あたりに痛みがあったり、肘を曲げることで痛みが出ている場合は上腕二頭筋長頭腱炎の疑いがあるということになります。
テニスと上腕二頭筋長頭腱炎
テニスの動作ではラケットを後ろに引いてから前に振り出してボールを打ちます。その時上腕二頭筋がどうなってるかというと、
- 腕が後ろに引かれた時に上腕二頭筋が伸ばされる
- その際長頭腱は上腕骨に押し当てられる
- ボールを打つために腕を前方に振り出す
- その際上腕二頭筋は収縮する
- 上腕二頭筋が収縮するので長頭腱炎は筋肉に引っ張られる
- 引っ張られた長頭腱は上腕骨に押し当てられているので強い摩擦が生じる
ということが起きています。これを何度も繰り返していたらケガしそうなのは何となくわかりますよね。ではテニスをやる限り必ずこのケガになってしまうのかというともちろんそんなことはありません。
このケガになりやすい条件が揃ってしまっているかということが重要になります。その条件というのは、
- 筋肉や腱が疲労などにより緊張が強い
- 上腕二頭筋の力が入りすぎていて緊張が強い
- 肩が前に出ていてより腱が押し当てられている
などが考えられるかなと思います。
筋肉や腱が疲労によって緊張していたり、ラケットを振るときに必要以上に力が入っていたりすると同じく筋や腱は緊張が強くなります。その状態で骨と擦れるとより強い摩擦を生みやすくなってしまいます。
また、ラケットの振り方が、あまりに肩が先行して振るようなフォームであったり、もともと猫背で肩甲骨が前に出ているような人は、より上腕骨に腱が押し当てられる力が強くなり強い摩擦を生じやすくなってしまいます。
ですからこのケガの予防策としては、
- 腕の疲労を溜めない
- 不必要に強い力を入れない
- 肩の位置に気をつける
ということが重要になります。
上腕二頭筋長頭腱炎の治療と予防
このケガになってしまった場合の治療はまずは疲れを抜くことが重要です。炎症が起きてる場合は炎症を抑え、疲労を抜くことで筋肉の緊張を抑えます。上腕二頭筋だけでなく、前腕部や、肩周り、肩甲骨周りの筋肉も疲労しているはずなのでマッサージによって筋肉の緊張を取るのはとても有効だと思います。
炎症をとるのに効果的な方法は
- 安静
- 冷却
- 超音波治療
などが考えれらます。冷却は氷嚢などでアイシングしてあげるのがいいと思います。超音波治療は接骨院には大抵あるので行ってみるといいと思います。
予防策は先ほど上げた通りですが、特に「肩の位置に気をつける」ということは今後テニスを長く続けていきたいならとっても重要だと思います。
現代の世の中はデスクワークやスマホ習慣などで、肩が前に出てきやすいといえます。その状態でラケットを振るとどうしても肩の前面にはストレスがかかります。何より肩は前に出ていない方がよりラケットを振りやすくなるのでテニスのパフォーマンスは向上するはずです。そういった意味でも肩の位置には気をつけるようにしてみてください。
肩の位置を正すにはマッサージやストレッチだけではあまり変わってはくれません。肩の位置を正し、それをテニスにも生かすことを考えるとやはり運動していくのが適していると考えます。
マッサージやストレッチで筋肉を緩めた後で、肩甲骨や胸椎、肩関節を動かすエクササイズをすることによってテニスのように瞬間的な動作でもしっかり正しい動作が身についてくれるようになるはずです。
宣伝になってしまいますが、cynosuraのスポーツコンディショニングコースはスポーツマッサージ+プチトレという形で筋肉の疲労を抜き、ゆるめた後で肩甲骨がより動くようにエクササイズを行い、肩のコンディショニングを整えています。それによって痛みの再発しづらい体を作っていきます。もちろん上腕二頭筋長頭腱炎に対するアプローチもやっています。大事なのは肩にやさしいラケットの振り方を根本から習得することです。
宣伝はこれくらいにしてまとめます。
まとめ
肩の前側の痛みというのは実はたくさんあります。今日はその中でも頻発する上腕二頭筋長頭腱炎について詳しくみてきました。疲れを抜くことも大事ですがそれ以上に肩の関節に優しいラケットの振り方を覚えることです。何度もこのケガに悩まされている方は一度スイングフォームや姿勢を見直してみることも必要かもしれません。
肩の痛みに怯えることなく思いっきりラケット振れたら今の何倍もテニスが楽しくなっちゃいますよね!
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