サーフィンのパドリングを速くする方法とは

みなさんこんにちは!湘南平塚のパーソナルジム「キノスラスポーツパフォーマンス」の藤倉法隆です。今回はこんなお悩みについてみていきたいと思います。

サーフィンのパドリングをもっと速くしたいよ。

本記事の内容
  • サーフィンのパドリングを速くする方程式
  • サーフィンにおいて速いパドリングができるメリット

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サーフィンのパドリングを速くする方程式

サーフィンにおけるパドリングはサーフボードの上に腹ばいになり、腕を海中に入れ、交互に水をかくことで推進力を得ています。このスピードを上げようとするならば、

  • ひとかきあたりに進む距離を長くする
  • 単位時間あたりの水をかく回数を増やす

ということが必要であるはずです。

ただここでひとつ問題があります。それは水の抵抗です。パドリングしている最中にサーフボードが不必要に揺れてしまったり、水をかく手が抵抗を生み出してしまったりすると、スピードが低下してしまいます。

さらに、水をかく回数を上げるほど水の抵抗は増えていきます。だからあまりにパドルの回数を増やしすぎてしまうと、逆に水の抵抗を増やしパドリングのスピードを落とすことにつながってしまうのです。

まとめると、パドリングを速くするには、極力水の抵抗を減らした上で、ひとかきあたりに進む距離を伸ばし、水をかく回数を増やすことが必要であると言えます。

これを式でまとめると、

パドリングの速さを求める公式

ということになり、この数値を上げたり下げたりすることでパドルスピードをコントロールすることができるということになります。

ではそれぞれの項目についてみていきましょう。

ひとかきで進む距離を長くする

一回のストロークで長い距離を進むためにはより多くの水をかいて水流を生み出す必要があります。そのためにはよりたくさんの水をキャッチしそれを逃さないようにそのまましっかりと後方へ押し出していくことが大事です。浅いところをバシャバシャと漕いでいたりストロークが短いパドリングは前に進まないですよね?つまりこういうことです。

  • より多くの水を押し出す
  • ストロークをより長くし後ろにしっかり押し出す

この2点が達成できればひとかきで進む距離は長くなるはずです。

ただここで2つ注意点があります。

ひとつ目は、「より多くの水を押し出そうとするとよりパワーが必要になる」ということ。小さい水の塊を押すよりも大き水の塊を押す方が力がいるのは当然ですよね?

なおかつパドルではこれを速く行う必要があるのでよりパワーが必要になるのです。たくさんの水を押し出すために筋力が少ない人はまず筋力を改善する必要があります。

パドリングに必要な筋力についてはこちらのブログに詳しくかいてあるので参考にしてください。

2つ目の注意点は、「腕を海中深く入れて回すのは間違い」ということ。

確かに、水をよりたくさんかく為には、腕をすっぽり海中に沈めてパドルする面積が多い方が有利です。ただ、それと海中深くまで水をかくというのはまた別の話です。

腕を深く海中に入れてパドルしようとすると、肩を中心とした円運動が起きます。腕が肩を中心に円を描くように回転するということですね。そういう腕の使い方をしてしまうと、水流が図のように分散してしまい、後方に押し出される水の流れができなくなってしまいます。

水に当たる腕の面積が広い方がより多くの水をかくことができるのは間違い無いですが、深く入れるというよりは、腕全体を使って後ろへ水を押し出すことを意識する方が大事ということです。

水をかく回数(ピッチ)を増やす

例えば10秒間で5回パドルするより、8回パドルした方が速く進めるであろうことは明らかだと思います。

子供で筋力が少なく、腕も短いのにパドリングがスイスイと速いのはこのピッチが多いからだと予想されます。腕が短いからこそ回転しやすいメリットもありますしね。

ただ先ほども言ったように、ピッチが上がって水に手を入れる回数が増えるほど、水の抵抗が生まれ、失速の原因になりますので、そうならない程度のピッチを維持するというのも大事になります。

ピッチを増やすには、ストロークとリカバリーの動作を速くすることが必要です。リカバリーとはかき終わった手が水中から引き上げられまた頭上に戻って水をかき始めるまでの間の動作を指します。

抵抗のある水中で腕を素早く動かすのは大変な作業です。速く動かすにはなるべく水に当たる面積を少なくして抵抗を少なくすることですが、それをしてしまうと押し出す水の量が減り、推進力が得られなくなってしまいます。

ですから押し出す水の量は限りなく多くしながらも、なるべく速く動かせる手の動かし方を模索するということでしょうか。ちなみにこれもパワーがあれば水の抵抗をものともせず速く腕を動かすことが可能になります。

リカバリーの動作に関してはなるべく最短距離を通って腕を動かすことが重要になります。大きく動かせば動かすほど時間がかかりますし、着水するときに水の抵抗をたくさん受けてしまいます。リカバリーはよりコンパクトに素早く動かす事を意識してみてください。

ひとかきで長く進むか、ピッチを増やすか

ひとかきで長く進もうとすると、よりたくさんの水を押し出す必要があるため、どうしてもストロークのスピードは低下します。そうするとピッチも落ちてしまいます。

反対にピッチを増やそうとすると、腕にかかる水の抵抗を減らして腕を早く動かそうとするため、ひとかきで進む距離は短くなってしまいます。

大事なことは使い分けです。アウトに出る時などの移動のパドルはひとかきひとかきをしっかりとパドルしてピッチを落とした状態で行えば、疲労も少なく速度を維持することが可能になります。

対して波に追いつくためのスプリントパドルでは移動する距離は短い代わりにより短時間でトップスピードに達する必要があります。だからひとかきで進める距離は短くても、ピッチを早めてあげるパドリングの仕方が適していると言えます。

こんな風にパドリングの目的や、波の様子によってパドリングをうまく使い分けてあげるのがより適切なパドリングの用い方だと思います。

2種類のパドリングについて詳しくはこちらの記事を参考にしてください。

水の抵抗を減らす

3つ目の項目です。パドリングで水をかくときは腕がより水の抵抗を受けるようにした方がたくさんの量の水を押すことができるので有利になりますが、進む上で前側からかかる水の抵抗は少なくしないと、失速の原因になってしまいます。水の抵抗になる要素は、

  • ノーズのポジション
  • ボードの揺れ
  • 腕の動き
  • その他の体の部位

といったところでしょうか。ノーズのポジションというのは、ノーズが高い位置にあるか低い位置にあるかということ。高いと、ボードの底面がより水の抵抗を受け失速につながりますし、低いと、ノーズが水にもぐりこれまた抵抗を増やしてしまいます。

ボードの形状にもよりますが、海中から少しだけノーズが出ている程度でパドリングを行うことが抵抗を少なくするはずです。

また、ボードの揺れに関してはパドリング中に大きく腕を動かそうとしたり、海中深いところをかこうとすると左右に揺れてしまい、水の抵抗を生んでしまう恐れがあります。なるべくボードは揺れないように抑える必要があります。

腕の動きが水の抵抗を生んでしまうときは体よりも大きく前に手を出してしまうことにあります。よりたくさんの水をかこうとして、進行方向遥か前に手を入れるとそれが抵抗となってしまう可能性があります。

他にも足を開いていたり、斜めにボードに腹ばいになっていたりするとそれが水の抵抗になることがあります。できるだけまっすぐボードの上に体を収めることでパドリングの推進力を殺さない姿勢がとれるはずです。

サーフィンにおいて速いパドリングができるメリット

サーフィンをするにあたってパドリングが速いという事はたくさんのメリットがあります。

まずはたくさんの波に乗れるということ。パドルが速ければ他のサーファーに先んじて波を捕まえることができたり、ピークに移動することができます。アウトに出るのが早ければそれだけ波に乗れるチャンスも増えますしね。

速い波に追いつけるということも大きなメリットです。メリットというかこれは波が速いときは必須条件になってしまうのですが、速い波に追いつくにはパドルを速くしなくてはいけませんよね。

さらにパドルが速いという事はパドルする時間が短時間で済むということでもあります。アウトに出たり、波に追いつくためにするパドルですが、これが遅いと長時間パドルしないといけません。しかし速くパドリングすることができれば短時間でパドルの目的が達成されるのでより省エネでサーフィンを行うことができます。

速いパドリングができたらテイクオフも見直してみてください。

まとめ

パドリングを速くしたいというのは多くの方が望んでいることかと思います。自分の筋力や体格に合わせて適度なストロークとピッチをつかんでもらえればと思います。

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